2021スーパーGT 第7戦 @ツインリンクもてぎ

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2021年 SUPER GT第7戦もてぎ 予選レポート

■KONDO RACING、渾身のアタックで予選2位を獲得!

早いもので、今シーズンの戦いも残り2戦。大詰めを迎えたSUPER GTシリーズの第7戦が栃木・ツインリンクもてぎにおいて開催され、予選が行われた土曜日は、小春日和の天候に恵まれた。その中で、KONDO RACINGは、ノックアウト予選で大躍進。シーズンベストとなる2位を獲得。決勝はフロントロウからのスタートを切ることになった。

 

前大会オートポリス戦からわずか2週間。慌ただしい準備を済ませ、もてぎ入りをしたKONDO RACING。シーズンが佳境に入る中、クルマに搭載されるサクセスウェイトの計算方法が今大会から変更され、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは16㎏のウェイトが課せられる。一方で、戦いを重ねる中でタイヤ、クルマともポテンシャルを高めているチームとしては、予選から好位置につけるパフォーマンスを披露したいと、まずは朝の公式練習に臨んだ。気温13度、路面温度22度の中、24号車に乗り込んだのは、佐々木大樹選手。序盤に1分37秒825を刻み、その後、GT300クラスとの混走時点で高星明誠選手へと交代する。高星選手は、セットアップの調整やタイヤ選択など、メニューを次々と消化。また、引き続きGT500クラス専有走行にも出走し、周回を重ねてチェッカーを迎えた。結果、序盤に佐々木選手が刻んだタイムがチームベストとなり、12番手でセッションを終えている。

 

 

 

 

 

 

GT300クラスQ1を経て、午後2時53分からGT500クラスQ1がスタート。24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのステアリングを握るのは、高星選手。持ち込みのセット、そして午前の走行で得たフィーリングをもとに予選アタックに挑むと、先んじてアタックラップへと突入。チェッカー直前に1分36秒602のタイムをマークし、トップへと躍り出た。このあと、他車も続々とチェッカーを受けたが、高星選手を上回るタイムは刻まれず。結果、24号車はQ1トップでQ2へと駒を進めることに成功した。

 

Q2は、午後3時31分にスタート。Q1より気温、路面温度がともに下がる中、今度は佐々木選手がアタックに向かった。Q1同様、早めのタイミングでアタックラップに入ると、1分36秒071の好タイムをマーク、一旦トップに立つ。だが、その直後に19号車スープラが0.178秒差で佐々木選手のタイムを上回ることとなり、24号車は2番手のグリッドから翌日の決戦を迎えることとなった。

 

 

 

 

 

タイヤ、クルマの開発・改善を味方につけて、今シーズンベストの予選結果を手に入れた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。上り調子の中で迎える今大会では、さらに高い位置でチェッカーフラッグを受けることを目指し、決戦に挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

<近藤真彦監督のコメント>

 

ポールポジションを獲れなかったのは正直悔しいですが、それでもこの”悔しい位置”にいられる結果を残せたことは良かったと思っています。悔しくないというレースが続いていましたからね。だから、悔しいと思えることが大事だったし、今回は同じヨコハマタイヤを履く19号車と切磋琢磨して掴んだ結果だったので、ともにいいタイヤを作るためにがんばってきた成果だと受け止めています。併せてクルマの方も改善が進み、タイヤとのコンビネーションもいいものになっています。今回はふたりのドライバーがうまく合わせこんでいい仕事をしてくれました。明日も天候が安定しているようなので、今日同様にレースでもいいパフォーマンスを見せてくれると思っています。優勝への期待が膨らむ一方、レース中は落ち着いて展開を見ていたいので、まずスタートで先行し、あとはどんどん後続との差を広げて逃げ切りたいですね。

 

 

 

 

 

<高星明誠選手のコメント>

 

朝の公式練習のときは、正直パフォーマンスがあまり良くなくなかったので、Q1を通過できるとは思っていませんでした。その中でQ1を通ることができて、なおかつトップタイムだったので結構驚きました。クルマは朝のセッションからあまりセットを変えていなかったので、なにがどうなってこういう結果になったのか…まったくわかりません。明日はフロントロウから決勝スタートを切れるので、そのメリットも充分あると感じています。それを活かしてレースをうまく組み立てていけたらと思います。

 

 

 

 

 

<佐々木大樹選手のコメント>

 

今回は走り出しの時点からクルマの調子が良くて、いいアタックができました。先にQ1で高星(明誠)選手がトップで通過したので、それに対するプレッシャーもありましたが、それよりもポジション争いができるということがうれしかったですね。しっかりとアタックすることができれば、ポールポジション争いができるという気持ちをもって挑みました。これまでチームががんばってきたことが形になって良かったです。

 

 

<村田エンジニアのコメント>

 

朝の走り出しからセットが決まっていたようです。予選もそのままでいけました。ここではタイヤメーカーテストもやっていますしね。そのときの路気温と予選のコンディションが似通っていたことも良かったのではないでしょうか。ただ、テストでは2台(19号車と24号車)しか走っていないので、決勝になるとまたコンディションが異なるでしょうから、また別ものになるかもしれません。しかしながら、タイヤのタレなど、”持ち”に関しては何ら心配はしていないし、レースは状況次第とはいえ、いい戦いができるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

2021年 SUPER GT第7戦もてぎ 決勝レポート

 

■KONDO RACING、悔しさ残る7位入賞

 

 

栃木・ツインリンクもてぎで開催されたSUPER GT第7戦。日曜日の決勝レースにおいてフロントロウの2番手スタートを切ったKONDO RACINGだが、戦いの中で波に乗れず苦戦する展開に甘んじることとなった。だが、抜きどころの少ないコース上で奮闘し、最後の最後まで粘りある走りを貫き7位チェッカー。シーズン3度目の入賞は果たせたが、KONDO RACINGにとっては悔しい結果になったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

前日に続き、暖かな日差しに包まれたツインリンクもてぎ。小春日和の中、新型コロナウイルス感染対策の規制緩和が進んだこともあり、サーキットには1万人を超えるファンが訪れた。午前11時40分、決戦を前にしたウォームアップ走行がスタート。また、決戦に向けて気温18度、路面温度は30度へと上昇し、昨日とほぼ同じ条件での戦いが可能となる中で躍進を目指した。開会セレモニー後の午後1時、フォーメーションラップを経て63周の戦いが幕を開ける。フロントロウについた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、まずスタートドライバーを担当した佐々木大樹選手がポジション2番手を守ろうとするも、タイヤのウォームアップ性能がコンディションとうまく連動せず、我慢の状態がしばらく続いた。結果、ポジションは5位へとダウンしたが、ポジション奪還を意識して前方車
両を背後から追い立てた。

 

 

 

 

 

 

 

また、レースも序盤から慌ただしい展開を見せる。11周目にはヘアピンでのアクシデントに対してフルコースイエロー(FCY)が導入され、さらに解除後わずかの時点で同様のアクシデントを受けて2度目のFCYになるなど、落ち着きのない状況に。だが、前方との差を詰める好機ととらえ、しぶとく周回を重ねていった。一方、レースは膠着状態が続く中、ルーティンのピットインが近づいてくる。KONDO RACINGとしても戦いに動きをもたらそうと、23周終わりでピットイン。上位陣から順に6台が作業を行う中、スムーズに作業を終えた24号車には新たに高星明誠選手が乗り込み、コースへと向かった。その後も他車が次々とピットインを実施。この影響で激しくポジションが入れ替わったが、24号車はレース序盤同様にピットアウト直後からのタイヤのウォームアップに苦しみ、じわりじわりとライバル達の後塵を拝する形に。31周終了をもってコース上のすべてのGT500車両がルーティンワークを済ませたが、この時点で6番手となり、改めてレース後半に向けて前後車両との激しい攻防戦を繰り広げていった。だが、41周目には徐々にペースアップした17号車NSX-GTが接近。防戦叶わず、7番手に。ライバルと遜色のないペースを刻み続けるも、抜きどころの少ないもてぎゆえにポジションアップの機会は訪れず。24号車は惜しくもこのまま7位で戦いを終えることになった。

 

 

 

 

 

今シーズン最高位獲得を目指してスタートを切ったものの、レースコンディションをうまく味方につけることができなかった24号車  リアライズコーポレーションADVAN GT-R。悔しさは募るばかりだが、ライバルとの攻防戦から”その次”のステージで戦うために必要なものも掴んだ。残るは最終戦富士大会のみだが、その中でさらに進化した戦いに期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<近藤監督のコメント>

 

今回はコースコンディションに対してタイヤがうまく作動しない状況がありました。加えてもてぎという抜きどころのないコースでの戦いとなり、厳しい展開になりました。また、懸念していたピックアップもあったと聞いています。ただ、レース中のペースは安定して良いものであったし、上位のクルマと遜色のないものだったので、力強い走りは出来たと思います。開発が進み、成果も出てきているので今シーズンに限らず、今後の戦いにはいい流れが見えました。もちろん、2番手スタートだっ
ただけに悔しさは募ります。タイヤとクルマがうまくマッチングしてポテンシャルを出せるようになったのが、シリーズ後半というタイミングになってしまったのも事実です。本来であれば、今の状況がシーズン序盤でなければならないので、今後いろいろとやるべきこともありますね。最終戦はガチバトルなのでそう簡単ではないでしょうが、表彰台を目指して力を振り絞って戦います。

 

 

 

 

 

<高星明誠選手のコメント>

 

佐々木選手と交代してコースインする中で、他メーカーよりもタイヤのウォームアップが良くなかったですね。一方でグリップの出方は良かったです。確かに走行中はピックアップもありましたが、この程度であれば安定してタイムは出せると思って周回を重ねていました。しかしながら、一方で左リアタイヤにおける”熱ダレ”が出てしまい……。摩耗かと思っていたのですが実際にはそうではなかったようで、グリップダウンを感じながら走行していたことから、ラップタイムが安定しませんでした。ただ、開発の過程としてこういう問題が出てきたことは決して悪いことではないし、これまでの問題もひとつひとつ改善できていることも確かです。レースでは前のクルマに大きく離されることなく、しっかりとついて走ることもできました。もてぎという抜きにくいレイアウトもあって抜くまでのポテンシャルはありませんでしたが、次につながる戦いは出来たと思います。

 

 

 

 

 

 

<佐々木大樹選手のコメント>

 

レースを戦う上で、タイヤの良い面とそうでない面がクリアになりました。その中でもピックアップの症状がテストとは異なる形で出てしまいました。スタート直後はタイヤのウォームアップが気がかりだったので、できる限り後続を押さえたかったのですが、やはり厳しかったですね。高星(明誠)選手にバトンを渡してからも、現状での弱点が出てしまったのかなと思います。周りの強さに対してまだ足りていないという部分が明確になったので、特に寒い時期のレースでしっかりと戦えるように準
備していきたいですね。前回、夏のもてぎ戦に比べると、予選と決勝を通じて全体的なポテンシャルは向上しているのは間違いありません。今回も予選2位から優勝をという気持ちもありましたが、開発を続けることでステップアップして強くなっていくものでもあるので、最終戦はもちろんこの先に向けてしっかり頑張っていきたいと思います。

 

 

<村田エンジニアのコメント>

 

決勝レースでのタイヤと路面コンディションの関係性はある程度予測がついていました。その中でドライバーふたりはしっかりと走ってくれたと思います。タイヤの開発を進めている過程での問題として把握していたことでしたし、一方でクルマのセットアップに関しては方向性として外していなかったと思います。ピットインのタイミングも、GT300クラスとの兼ね合いを考えればロスタイムをいかに少なく済ませるかを考えて行ないました。タイヤのウォームアップやピックアップの問題に関して
は今後の課題でもあるのですが、実戦を通してそれがはっきりと見えてきたことは、今回の大きな収穫だったと受け止めています。